摺動部表面に、固体潤滑剤である二硫化モリブデン微粒子のみを圧縮空気で高速に噴射→衝突させると、衝突時の発熱に より摺動部表面に拡散・浸透して二硫化モリブデン層を創成する処理法です。この処理により、摺動抵抗が大幅に低減し、 耐摩耗性の向上にも効果を発揮します。

1.従来のコーティング技術に比べ、接着剤としての樹脂を含まない高純度(98.5%以上)の二硫化モリブデンのみを使用 しているため、100%の低摺動効果が得られます。

二硫化モリブデン（MoS2）はモリブデン（Mo）と硫黄（S）からなる「無機化合物」です。結晶構造は、六方晶型の多数の薄片が重なり合った層状格子構造を持ち、一つの薄片だけに注目すると、モリブデン原子を硫黄原子が上下から挟み込むような層状になっています。モリブデン原子と硫黄原子は強固に繋がっていますが、薄片と薄片を繋ぐ硫黄原子同士の結合は非常に弱いため、層と平行に働く力が掛かると簡単に滑り、低摩擦になります。また、滑った二硫化モリブデンの薄片の硫黄原子と金属は密着しやすいために、薄片が移動を繰り返しても常に低摩擦状態での移着が可能になります。